研究論文、資料

人工知能学会2019 関連セッションリンク

人工知能学会2019でおこなわれた関連セッションの一覧です。
人工知能学会のウェブサイトを参照します。

オーガナイズドセッション

オーガナイザ:岡田浩之・鈴木宏昭
「プロジェクション科学」の発展と応用

概要

人間の認知的なメカニズムの解明とそのモデル化は、人工知能研究の理論的な基盤をなすものである。しかし近年、従来の理論的な認知モデルの限界も明らかとなってきた。本OSでは、認知科学的視点から「投射」(projection)を中心概念とした新たなモデルを提案し、将来的には現在の人工知能研究と融合させ、知的なシステムの構築に貢献することを目指す。
ここで述べた「投射」の概念について簡潔に説明する。人は外界から情報を受け取り、それについての「表象(内部モデル)」を作り上げていると考えられる。人の感覚や知覚はこの表象に基づいている。この感覚や知覚は脳という情報処理システム内に生じるのだが、人はこれを情報の提供元の性質と見なす。つまり、ここでは内部表象の世界への投射が起きている。通常はうまく働く投射であるが、様々な歪みも生じる。たとえば、ラバーハンド錯覚、フルボディ錯覚、腹話術効果などの実験室内の様々な現象、統合失調症における幻聴、幻視、失行症に見られる対象定位の不全などに見られる実在しない対象への投射、VR/ARによる臨場感、没入感などは人間の「投射」の豊かな広がりを示している。
プロジェクションサイエンスの応用としてはVR、ARを用いたテレイグジスタンスによる操縦が考えられる。操縦者の腕が,時間遅れの無いCGの操縦者の手,時間遅れの無いCGのロボットのアーム,遅れて動作する遠隔地のロボットのアームのいずれか,或いは複数に投射されることになる.これまでのテレイグジスタンスの蓄積からすれば,投射される対象の「身体保持感(Sense of Ownership)」が高い対象をより良く操ることが可能と予想されるが,作業において,最も重要なのは,実際に作業を行うロボットアームをより良く操ることであり,遠隔地のロボットアームの「所有感覚」を高めることが重要である.しかしながら,時間遅れが大きくなると,ロボットアームの「保持感」が急激に低下することが明らかとなっている.
本OSではこれまでのプロジェクションサイエンスの基礎的な知見を元にその応用にまで及ぶ議論を深めたい。

キーワード

  • 認知科学
  • 投射(プロジェクション)
  • Projected Reality
  • エージェント
  • VR/AR

各セッション